Morning, Noon & Night

随筆みたいなもの。言えない事もあるけれど、出来うる限り人生オープンで生きていたい。

実写映画「宇宙兄弟」(2012年)

 Netflixにて。原作漫画未読。

 内容は今時の国内がメインターゲットとして作られている邦画だよね、という感じでそれ以上でも以下でもない。

 宇宙に行くのが目的であって、宇宙で何をするかは特に決めて無い。という潔さが素晴らしい。まずとにかく行くのだ、と。

 エピローグ直前にナレーションが入ったりして、「あぁ、尺に入り切らなかったのね…」感はあるものの、ボリュームのある原作物を約2時間でまとめるってそういう事だという現実。

 加えて変化の少ないシーンで予算を節約し、動きの大きいシーンに予算をつぎ込む。そこは邦画の工夫ではあるが、腕の見せ所でもある。メリハリを付けられればまだいいものの、ダルさを感じたらアウトだ。

 面白いか面白くないかの二元論で語るのは難しいところではある。期待して見ればそれほどでもないし、かといって期待せずぼけーっと見る分にはそれなりに人間ドラマやってるしね。

 本作品で間違えてはいけないのは、あくまで人間が主役であって、宇宙が主ではないというところではないか。月での活動シーンで効果音使ってるし、月面ではしゃぎすぎだし。リアリティという面で考えれば、真空と言われるくらいには空気がほぼ無いのだから音なんかしないし、仕事でも行ってるんだからハメ外し過ぎるなよと思っちゃう。だから夢に向かう人を描いた人間ドラマとして見た方がいい。

 

 好きか嫌いかという二元論は個人の問題なのでまぁ好きに言えばいいさと思うけど、良いか悪いかという二元論はほんと判断が難しい。どんなものでも加点法か減点法かでガラリと評価が違う事はよくあるわけで。

 良くない映画がダメな映画ではないし、ダメな映画ではないとはいえ良い映画でもない。後年、語られる頻度はそう多くないであろう映画の一つとは言えるかもしれない。俺にとって褒める理由がそれほど無い映画ではあるが、貶す理由もまた無い映画なので、なんとも言えない感じで書くしかないのだ。見たい人が見ればいい。