Morning, Noon & Night

随筆みたいなもの。言えない事もあるけれど、出来うる限り人生オープンで生きていたい。

オーディオの皮肉さ

好きな音源をより良い音質で聴きたくて、機材をあれこれと変えて、良くなるたびに新たな感動が味わえるのがオーディオの楽しみの一つだと思っている。

ただ、完璧な音源はそう無いのが現実。

数十万、数百万以上かけたシステムで再生するよりも、数万円のシステムの方が聴き心地が良い場合もあるのがなんとも…。

システムが完璧に近づくほどに、演奏者・ボーカルの実力、録音環境の良し悪し、エンジニアリングやマスタリングなど音源自身の質が問われてしまう。

そうなると楽しくなくなるケースも出てくる。録音のミスやエンジニアリングのミス等が目立つ事も全く無いわけではない。

結果として良い音源と良くない音源に別れる。なんとなく良いと思っていた音源も、聴き込むと意外にそうでもなくなってしまったり。良くない音源は良くないという判断が下された時点で、頻繁に聴く事はまず無くなる。音が楽しめないから。

ピュアオーディオというある種の信仰のような呪いにかかってしまった人達は、高音質音源を最優先で追求するあまり、音楽は2番以降になってしまう。それは個人の範疇で収まる分にはまだいいが、周囲に押し付け始める原理主義者になったら害でしかない。

ほどほどが無難なのは確かにそうだが、キチガイになるほど踏み込まなければ分からない事も多くある。