Morning, Noon & Night

随筆みたいなもの。言えない事もあるけれど、出来うる限り人生オープンで生きていたい。

PS4「CRYSTAR」感想

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  クリアしたので感想をいくつか。

 そして興味があればメイキングとかも読むといいかも。

cgworld.jp

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 ゲームを作る事に関心が少なからずある人間にとっては、このゲームが基本21名の14ヶ月で作られたというのは興味深い。

 その観点があるからこそ、だからこういう作りなんだな、というのが見える。

 限られた人数、限られた期間。つまるところ限られた予算内でゲームとしての本質を少しでも高めるために、本質から離れたところは可能な限り良い意味で手を抜く。というのが印象に残った。アセットの再利用ということで、ステージや雑魚敵キャラクターとかは特に何も考えずプレイしても使い回されているなとわかる。

 個人的にステージアセットは工夫している印象を受けた。「見たことあるような気がするが、微妙に違うような気もする」という感じだったり。

 反面、雑魚敵キャラは姿形の時点で再利用だし、行動パターンも変化は少ない。しかし、後半にいくほど行動感覚を短くする事で積極的に攻撃を仕掛けてくる演出で、厄介だなという感覚を受けやすくなる。単純ではあるけれど効果はある。その仕組みがわかると工夫してるとは言えない気はするけども、そこはまぁ雑魚キャラなので。

 アクションそのものについては少し遊んだだけでもダッシュ関連の硬直仕様が気に食わず、快適さという意味では想定には届かなかったが、Ver.1.01により修正が入り、ダッシュ周りのアクションがかなり良くなったのでこのゲームとしては充分だと思う。

 難易度もノーマルで通しプレイしたものの、これもこれで悪くはない。ゲームに慣れてくる中盤以降はきちんとレベルを上げて、回復アイテムも潤沢に持っていれば、無理に回避行動や強攻撃をしなくても弱攻撃中心に攻撃を組み立てるだけでクリアできた。

 グラフィックも雰囲気あって好みだし、3Dキャラもイラストの雰囲気をもたせようという印象はあるので、イラストと並べなければ文句ない。リアルともデフォルメとも違うキャラ造形は難しいんだろうなという想像はつくけれど。

 シナリオに関しては本作のキモだろう。俺は結構好きだった。バッドエンドではないが、ハッピーエンドとも言い難い。しかしながら前向きに終わったので、結果的に良かったと思う。悪魔はやっぱり悪魔だった、というのは終わってみると分かりやすい。

 音楽に関しては…正直如何とも。曲単体で聴くと悪くはないと思う。ただ、ゲーム全体として見ると俺にはあまりに印象に残りにくい。シナリオだったり、イラストだったり、ゲーム画面中に表示される断末魔の文字だったり、泣いてる女の子だったり、そういうのに比べると音楽はパンチ力が不足してる感じはあった。

 声優については、井上喜久子井上ほの花の親子共演がとても良かった。これは是非ともゲームをプレイして味わって欲しい。キャラクターとしてもそれぞれの立場がぐっとくる。

 やりこみ要素はほぼ無い。ボス連戦くらい。

 まぁ、今時やりこむ人が多いかというと、むしろ少ない事を考えればむしろ必要無いと割り切るのも分かる。個人的には上層からスタートして最下層へ向かうモードが欲しかった。ステージマップはランダム生成で、雑魚敵キャラは一定時間で無限に出てくる仕様で。

 結論としては、なかなか良かった。泣いてる女の子、シナリオ、キャラデザ、グラフィック、それらをゲームとして成立させるアクション要素。限られたリソース内でそれらのバランスがきちんと取れている。個々の要素を見れば上記のようにあれこれ何かしら言えるけれど、ゲームは完成してなんぼという点から見れば、問題はない。

 それと、勝手に約束した自腹購入がまだなので、ボーナス入ったら買います。