Morning, Noon & Night

随筆みたいなもの。言えない事もあるけれど、出来うる限り人生オープンで生きていたい。

MQA-CD

 6月に購入したMQA-CDを不定期で聴いてる感想としては「良いじゃん」というところに尽きる。

 MQA-CDとはなんぞやというのを単純に説明すると、「MQAに非対応なら普通のCDとして再生できるし、対応していれば普通のCDよりも音質を上げられるCD」って事。

 これまではCD基準で高音質といえばSACDというのがあったわけだが、様々な要因*1により普及しなかった。今では僅かな市場としてごく一部のレーベルと好事家達の努力によって細々と生きてる。

 ハイレゾ市場がなぜ拡大しているのかといえばハードウェアの進化によりプロセッサやDACが高性能・省電力・コンパクトサイズになり、また記録できるメモリ容量が大きくなった事で導入ハードルが下がった*2のが大きい。

 で、MQA-CDだ。なにが凄いかって、俺はやっぱりCDとの互換性だと思う。

 基準音質としてのCDと、CDと比較して高音質のSACDはそれぞれ単体で存在しており、互換性は全く無い。それらをつなぐ手段として1枚のメディアにCD層とSACD層を重ねる事で両立させてきた。*3

 MQA-CDはCD層のみでそれを実現させる。CD音質のデータ容量の中に、CD以上のデータを詰め込む技術だ。CDに収録されている音の中の、音にならない音*4領域に補完データを折り畳んで入れておく。で、再生時に折り畳まれた保管データを展開する事でハイレゾ音質となり、展開できなければ普通のCD音質となる。

 そのアイデアが凄いってのは言われりゃわかるんだけど、言われなきゃわからんかった。

 CDとの互換性を持ち、同じデータ量で高音質を可能にする。高音質とデータ量の両立をやってのけた。流通しているFLACなどでのハイレゾ音源は同等の音質を保ったままデータ量を削減可能になる。ハイレゾと同等のデータ量ならば、より高音質が可能。という話になってしまう。

 あくまでPCM音源での話なので、DSD派の人には微妙なところだろうが、世の大半はPCMなので影響は少なからずあるわけで。

 CDそのものの流通量が減っている現状で今後MQA-CDがどうなるかは分からないが、CDとのコスト差が小さいのならば早急に移行して欲しいと思う。少なくともデータの流通としてMQAの普及はあると思ってる。データ転送もコストやサーバ負荷はかかるからね。

 ここで最後にようやくMQA-CDの話に戻る。

 ウチの環境はOPPOUDP-205でMQA-CDを再生しているんだが、どうにも気になる点がある。

 CDやSACDの再生に比べると「ドライブの稼働音がうるさくなる」。これが個体差なのかどうかは友人・知人の同UDP-205所有者に確認を取る必要があると思ってる。もしくはOPPOに質問メールをするか。なにかやってる気がしてるけれど、冷却ファンは装備していない以上、物理的に動作しているのはドライブのみだ。謎。

*1:CDとの互換性は無く、プレーヤーが高額だったり、結果的に多くの人々は高音質を求めなかった、など。

*2:今時、物理的に12cmメディアを持ち歩く時点でどうかしてるわけで、ポケットに入るサイズで高音質ハイレゾ音源にふったり、CDクラスの音質で大量の曲を持ち歩く、という利便性を考えれば自ずと答えは出る。スマホに内蔵も可能だ。

*3:海外ではSACD層のみというメディアも結構あるが、日本においてはほぼハイブリッド盤しかない。これは功罪あって、どちらにも対応可能という意味からユーザーフレンドリーでもあるが、「聴ける以上、CDで充分。わざわざSACDプレーヤーを買うこともない」という事にも繋がり、普及の妨げの要因の一つとも言えなくもない。

*4:人間には音として認識できない音