Morning, Noon & Night

随筆みたいなもの。言えない事もあるけれど、出来うる限り人生オープンで生きていたい。

AKB総選挙 2018が終わった。

 以前の俺は総選挙に全く興味がなかったのだが、最近ようやく自分なりのフラットな目線で見られるようになったので今年は速報と結果発表を見た。

 今まで見なかったのはファンの熱量ばかりが先に目に入ってしまい、その先にいるアイドル達を見るのが難しく感じていたからで。

 そもそも、メディアで取り上げられやすいのは熱狂的なファンの方だ。そしてアイドルそのものに強い興味がない人には熱狂的なファンしか見ずになんだかんだと感想を抱く。往々にしてそれはあまり良い印象ではないのではないかと思う。冷静に考えるとそれは当然でもあり、またその見方はそれほど正しくもないともいえる。

 基本的に人は己の興味のない事に対して熱狂している他人は奇異に映る。そのインパクトが強いからこそ、その熱狂的な人の見ている先にいるアイドルという「人」が見えていない。見てないから理解できず、理解できないから自分勝手な思い込みで誤解をする。

 この総選挙というイベントは凄い事だと思う。各アイドル達の一年間の「努力」と「結果」による「実績」を、「公の場」で「評価」されるのだ。そしてファンの方もまた、推しているアイドルへの思いの強さというのが投票数というカタチで問われる。

 アイドル自身はランキング上位や将来の夢に向かって努力をする。

 ファンは推しメンへの投票数を増やせるよう努力をする。

 実際に努力をするかどうか、努力の程度の差もあったりするが、ともかく努力をする理由・動機づけを作っている。ぼんやりとした夢よりも、はっきりとした具体性のある目標や目的は強く、実現する可能性が高い。

 ランキングはアイドルとファンの相互努力の結果によって成り立つ。おそらくそれは絶対だ。

 しかし勘違いしてはいけない事として、順位は単に結果を並べただけであって、個々人の優劣を示しているわけではない。アイドル自身とファン一人ひとりの集合体だ。

 ファンの投票にしても、一票だって重要だ。もちろん大量に投票可能ならばそれもまた重要だろう。が、それはあくまで補助的なものに過ぎない。各人とも置かれている立場、環境、状況が違うので収入も違うし、どれほど注ぎ込めるかも違って当たり前。違う事が分かっている事を改めて比較するのは無意味な上に無駄でしかない。だから自分の立場を振り返り、今後どうやったら注ぎ込める量を増やせるか、どうやって収入を増やすか、という事を考えさせてくれる機会を作ってくれている。少なくとも継続して応援できるよう給料分の仕事を頑張ろう、なんてのもある。これは何も考えずにぼんやりと日々を生きていたら到達することができない境地だ。

 こういう日常とはちょっと違う変化をもたらしてくれる物事がどういう方向に進むかは誰にもわからないが、日常があんまり面白く感じられない人に対してはスパイスとしての意味合いがあるだろう。そしてそれはアイドルに限った話ではなく、全ての分野において同じだ。

 今回の総選挙においてAKBグループの公式サイトを見て回り、一通り現役アイドルをチェックしたのだが、知っている名前がけっこういなくなっていて「あー、卒業したのか…」という一抹の寂しさを感じたり、まだ現役続行中の人もいて「マジか…」という驚愕と尊敬が入り混じった感覚を覚えたり。来年は俺も少しは投票しようかなと思ったものの投票したい子が多く、絞る事が難しいので収入増やす方法を考えてる。

 で、最後に今回の選挙結果について。一名だけ挙げるならば、99位のSTU48 石田千穂ちゃんがランクインできた事はとても喜ばしい。

 ランクインできた人も、圏外だった人も、努力に対して拍手と称賛を。そして自分自身も彼女らを見習って努力せねば。