Morning, Noon & Night

随筆みたいなもの。言えない事もあるけれど、出来うる限り人生オープンで生きていたい。

映画「マネーショート」

Netflixにて。

 すげえ映画だった。見ていてゾワゾワ・ゾクゾクした…。

 遠くないうちにサブプライム住宅ローンが破綻する事に気づいたからこそ、破綻するほうに賭けたわけだけれど、それはつまり数百万人の不幸な人が発生する事でもある。

 読みが当たって勝利すると同時に、被害者達を救済する事ができない問題にも直面してしまう。それを仕方ないと捉える人もいれば、勝利を手に入れたものの何も出来ないという点でクソを売っていたクソ野郎達と変わらないのでは、と苦悩する人もいて、結局のところ大金が動いて勝者と敗者に分かれたはしたが、ほぼ全員がなんらかのカタチで不幸を味わったのではないかという気がする。この事件で幸せになれたヤツがどれほどいるんだろうか。

 特に印象的だったのは、「90日以上住宅ローンの返済が滞っている家に行ったら、借り主は家主に家賃を払っているのに、家主のローン返済が滞っている事が判明する」シーン。

 借り主からすりゃ、きちんと家賃を払っているのに、住んでいる家を追い出される可能性があるんだぜ…。これは冷静に考えなくてもゾッとする。

 一軒家を購入した場合でも、変動金利の影響で返済額が増えた後に支払えるのか、という問題も同様に存在。

 この場合、生き残れるのは返済を支払える収入が有る者と、一括で買った者くらい。しかし前者と言えど、その後のリーマン・ショックの影響の余波で無職になった人もいるだろう。そうなると前者も生き残れない。一括で購入した層も無職になった場合、蓄えが無ければ家を手放さざるを得ない状況になる。これだけのトラップだらけでは下流にいる人達は自力で逃れる術なんてまずない。

 正直言って、俺自身にとっては当時それほど関心が無かったし、うつ病で引きこもっていた時期とも被るので、ぼんやりと「なんか世界が大変ぽいのかな」くらいだったが、今の俺としては「こんなヤバイ事が実際に起きていたのか」と思わされた。色々と考えさせられる。