Morning, Noon & Night

随筆みたいなもの。言えない事もあるけれど、出来うる限り人生オープンで生きていたい。

茨城の名手・名歌手たち 第27回に行ってきた

水戸芸術館|音楽|茨城の名手・名歌手たち 第27回

 と言うわけで行って参りました。

 演奏会そのものは良かった。演奏者10人のうち、ピアノが6人、ヴァイオリンが3人というのはちょっと偏り過ぎな気もしたけれど。特にピアノはショパンが4人、リストが2人というのも…。

 今回も生演奏を見に行って思った事を簡潔に述べるのであれば、先月の27日における茨城交響楽団の時と同じ。

 演奏者側の質と共に、聴衆側の質はどうなのだろうか、と。

 演奏者は理想の演奏を追い求め、お金を払って聴きに来てくれる聴衆に恥じない演奏をしなければならないわけで、研鑽を積む必要がある。

 それに対して聴衆はどうだろう。お金さえ払えばそれでオッケーなんだろうか。個人的にそれはダメではないものの、かといって安易に良しとするには抵抗がある。

 音の反響しやすいコンサートホールなのだから、せめて音を鳴らさない努力はすべきでは。咳をするのは仕方なく、のど飴くらいしか対策は思い浮かばないのだが、さすがにどこかの誰かの所有物であろう鈴の音色が演奏中に聴こえたのはイラッと来たんだけれど、俺だけだったんだろうか。

 あとはまぁ、まだまだ無名の演奏家達なので、家族親戚友人知人等の人達がけっこうな割合でいた。司会の宮本文昭さんが質問したところ4割から大きくて5割近くだった印象。

 そういう方々が来るのは演奏者の顔を立てての事なのだろうからそれ自体は別に言う事なんて無いのだが、さすがにお目当ての演奏者の出番が終わったら席を立って帰ってしまうのはどうなのか。それは他の演奏者に対して失礼なのでは…と俺には思えたり。かといって聴きたくないものを聴く理由が無いので帰ろうというのもわからんでもない。

 各自12分近い演奏時間に対して寝てしまう人ももちろんいる。当然仕方のない事ではあるのだが、それでもやっぱり「何しに来たのか」という疑問は出てくる。聴いてるうちにリラックスして眠ってしまうのはヒーリングとしては良いかもしれん。が、そうなるとやはり「音楽を聴きに来たのか、それとも寝に来たのか」という事になる。普段からクラシック曲を聴いていれば10分程度は大したことないけれど、これも4分前後のポップス慣れしてる人にとってはクラシックを最後まで聴いていられる音楽的体力が無いのも寝てしまう理由の一端ではなかろうか。

 拍手なんかも俺にとっては微妙なところで。

 俺の中では拍手というのは演奏が終わり、手を下ろし、席を立って観客席を向いて頭を下げたタイミングでするもんだと思っていたのだけれど、手を下ろした時点で拍手が始まるもんだから演奏後の余韻にも浸れないし、拍手が始まっちゃったもんだから演奏者もさっさと席を立ち、頭を下げてさーっとステージを下がっちゃう。

 色々あって然るべきという前提で考えても、自分と合わない人がいるというより、先行して行動した人に対し、何も考えずなんとなく合わせようとする人が多すぎるのもどうかと。

 ことクラシックの生演奏に関して言えば、演奏よりも一部の聴衆がノイズとなって邪魔をする感覚。